自動車コラム
ドライブ旅行におすすめの車選び
長距離の運転を想定し快適に過ごせる車選びのコツ
コロナ禍ということもあり、車を利用したアクティビティやドライブ・旅行などを計画するシーンが増えていること思います。長距離運転を想定した時、快適に過ごせる車を選ぶコツはどのようなものがあるのでしょうか。
長距離運転に向いている車選び
● 疲れにくい車
● 運転支援システムを搭載している車
● 燃費性能が良い車
それぞれの理由について解説します。
疲れにくい車
長距離ドライブをする時には、予めどこで休憩をするか、渋滞などを想定した計画を立てることが大切ですが、その上で、疲れにくい車を選ぶことで長距離運転を安心して行えます。
疲れにくい車は、次のような特徴があります。
疲れにくい車の特徴
● 快適に過ごせる乗り心地の良さ
● 安全面の確保ができる視界の広さ
● 走行音などの静粛性が高い
● 走行安定性の高さ
長距離ドライブをすると、精神面・身体的の疲れるという点について考えておくことが大切です。それぞれの特徴がどのような車を言うのか、簡単に解説します。
快適に過ごせる乗り心地の良さ
乗り心地のよい車に乗ることで、長距離ドライブをしている間に体へ伝わる振動が少ない傾向があります。そのため、精神的な疲労や肉体的な疲労を軽減でき、長距離ドライブが苦になりにくい点がメリットです。
乗り心地が良いと感じるポイントは、人それぞれ好みがありますが、具体的には次の点が挙がります。
乗り心地の良い車
● 足回りの柔らかさ:道路からの振動をタイヤ・サスペンションが吸収してくれるため、車体の振動が少なくなります。
● ボディ剛性の高さ:足回りで吸収できなかった振動を車体がしっかりと吸収してくれるため、車内へ振動が響きにくくなります。
● 快適に過ごせるシート:人が長い間、乗っている場所です。適切な固さがあり、ホールド性も併せ持つことで、快適に過ごせる度合いが異なります。
それぞれのポイントを全て押さえている車というのは、見つかりにくい可能性があります。そのため、ドライバーとして、また、一緒に乗る同乗者がどう過ごしたいか、という点を考慮して検討してみましょう。
安全面の確保ができる視界の広さ
ドライバーは、安全運転をするために周囲の状況を注意深く確認しています。そのため、視界が広い車に乗ることで、安心して運転できるため精神的な疲労が軽減できる点がメリットです。
視界の広い車の特徴は、次のものがあります。
視界の広い車
● フロントガラスとボディを繋いでいるAピラー(柱)が細い
● フロントガラスが広く大きい
● 目線が高い位置にある
Aピラーは、運転中の視界を妨げ「死角」となる場合があるため、細く設計している車を選ぶと安心できます。その反面で、ボディ剛性が低くなるかもしれません。ただ、近年の車はボディ剛性の強度を確保した形で設計しているものもあるので、購入時にボディ剛性や安全性などを確認するようにしましょう。
静粛性が高い車は、次のような特徴があります。
静粛性が高い車
● エンジン音(エンジンノイズ)が聞こえにくい
● 道路とタイヤの摩擦で起こる音(ロードノイズ)が聞こえにくい
● 走行中の気流によって発生する風切り音が少ない
エンジン音を楽しみたい人にとって、エンジンノイズは騒音とはなりにくいと思いますが、人によってはエンジン音がうるさく聞こえ、精神的に疲れてしまう可能性があります。エンジンノイズを抑えた車が良い場合は、ハイブリッドモデルの車や電気自動車を選ぶことがおすすめです。
走行安定性の高さ
走行安定性が高い車は、ドライバーの疲労を軽減してくれたり、同乗者の車酔いを軽減してくれたりします。天候が悪い時でも、安心して運転できるのでおすすめです。
具体的には、次のような車を走行安定性が高いと言います。
走行安定性が高い車の特徴
● 4WD(四輪駆動)モデルの車:悪天候でも安心して運転できる。
● ホイールベース(前輪軸と後輪軸の長さ)が長い車:直進安定性が高い。
● 車高が低い車:高速道路での安定性が高い。
4WDモデルは、通常の2WD(二輪駆動)モデルと比べて、走行安定性が高く安心して運転できます。その理由として、四輪それぞれにエンジン・モーターの動力を伝えるためです。また、車高が低い車は重心が低くなり、空気抵抗が小さくなる点から高速道路での運転時、安定性が高くなる傾向があります。
運転支援システムを搭載している車
近年の自動車には、「運転支援システム」を搭載している車が増えています。ドライバーのアシストを車が自動で行ってくれる機能のため、疲労軽減や事故防止に貢献してくれるので、日頃の運転だけに限らず、長距離ドライブなどでもおすすめです。
主に、次のようなシステムがあります。
運転支援システム
● 衝突被害軽減ブレーキ:衝突を回避するための警告・ブレーキングを行うシステム
● ブラインドスポットモニター:死角の危険を伝えるシステム
● クルーズコントロール:一定の速度を保って走行を続けるシステム
● 自動運転:将来、車が主体となって運転するシステム
自動運転については、レベル1~5まで定められており、多くの日本で走行している車では「レベル2」相当のものです。2021年3月にホンダが自動運転レベル3の自動車を発表したことにより、今後も開発が進んでいくことが期待されます。
(参考:Car Watch|ホンダの世界初となるレベル3自動運転車は、なぜフロントにカメラが2つあるのか? カメがウサギを追い越せた理由とは)
運転支援システムでは、あくまでもドライバーのサポートを行うため、車が主体ではなく人が主体です。そのため、アクセル操作やブレーキ操作などはドライバーが責任を持って行う必要があります。その上で、長距離運転をする際には、クルーズコントロールなどを用いて、高速道路など一定の速度で走り続けられる時に活用すると良いでしょう。
燃費性能が良い車
長距離運転をするということは、ガソリン代がどれくらいかかるのかを考える必要があります。近所の運転とは違い、ガソリンスタンドの場所なども把握する必要があり、補給する手間やガソリン代などを抑えることも大切です。そのためには、燃費性能が良い車を選ぶようにしましょう。
燃費性能がよい車
● ハイブリッドカー
● 電気自動車
ハイブリッドカーは、ガソリンだけでなくモーターも一緒に活用することで燃費性能が高い傾向があります。また、環境面を配慮した電気自動車は、電気を充電することで走らせられるため、ガソリン代がかかることはありません。ただし、電気自動車用の充電する場所を予め把握しておくこと、充電に時間がかかってしまうことを考慮することが大切です。
快適な車中泊ができる車種
長距離ドライブをする時は、時と場合によって車中泊を検討することもあるかもしれません。車中泊は、車内で寝泊まりすることで、宿泊施設を利用しない点で宿泊費用を抑えられる利点があります。キャンプ場などでも、車を使った宿泊スタイルがあるため、現在人気が高まっています。
車中泊をする上で大切なポイント
● 車内の広さ:横になった時にのんびり眠れる広さ
● 車内の高さ:天井の高さが高いと開放的で快適に眠れる
上記のポイントを踏まえて、フルフラットシートのモデルやコンセント・USBポートも搭載している車などが搭載していると安心で快適に過ごせます。
車中泊におすすめの車種
● ワンボックス:広い車内スペースで快適に宿泊できる。
● ミニバン:ファミリカーとして実用的で、十分な室内空間が確保できる。
● ステーションワゴン:ミニバンよりも車高が低く、乗用車としても活躍。
● 軽バン:軽自動車のバン。コンパクトでシートアレンジが可能なモデル。
それぞれについて簡単に解説します。
ワンボックス
主な車種:トヨタ『ハイエース』『ハイエースバン』、日産『キャラバン』など
ワンボックスは、エンジンルームやキャビン(乗員が過ごす場所)、ラゲッジスペース(荷物を積む場所)が一体化となっているモデルです。エンジンが、運転席の下に搭載され独立したエンジンルームがないため、ボンネットがない特徴があります。車内の広さを最大限に活用できる点が魅力的です。
ミニバン
主な車種:トヨタ『アルファード』『シエンタ』、日産『セレナ』、ホンダ『フリード』など
ミニバンは、主にワゴンタイプの車種でシートが3列以上あるものです。後部座席から荷室がつながっており、室内空間が広く自由にカスタムできる魅力があります。乗る人数や積載する荷物の量によって、大きさを考えて購入検討することがおすすめです。
ステーションワゴン
主な車種:トヨタ『カローラフィールダー』、スバル『レヴォーグ』、ホンダ『シャトル』など
ステーションワゴンは、ツーボックスカーでエンジンルームとキャビン・ラゲッジスペースが分かれているモデルです。また、車高が低いモデルで荷室を広げたスタイルになっているものが多くあります。利便性が高く、走行性能が高い点も魅力的です。
軽バン
主な車種:スズキ『エブリィ』、ホンダ『N-VAN』、スバル『サンバーバン』など
軽自動車をキャンピングカーとしてカスタマイズするブームがありますが、軽バンはまさに最適な車種です。天井が高い点や荷室が広いため利便性が高く、また、軽自動車のため費用を安く抑えられます。人数や積載量の制限が低いものの、少人数での長距離ドライブであれば活躍できるでしょう。
長距離でも燃費が抑えられる車種
おすすめの車種:トヨタ『ヤリスクロス』『カローラツーリング』、日産『セレナ』『リーフ』など
車の燃費は、「1Lでどれくらい走れるか」を知るための基準です。燃費を計算する時には、ガソリンを満タンにした状態で空っぽになるまで走り、空になったタイミングでの走行距離で求められます。
【燃費=走行距離÷消費された燃料の量】
道路状況、走行距離、ドライバーの運転技術などによって燃費性能が変わってくるので、車の性能として燃費性能が高いモデルを選ぶことを大前提として、優しい運転を心がけましょう。優しい運転は、例えば適切な車間距離を空けて走ったり、急発進・急ブレーキをしないようにしたりする点が挙げられます。その上で、燃費性能が高い車種であれば長距離でも走り続けられるため、ガソリン代がかかりにくくなります。
長距離ドライブ向け車選びのまとめ
長距離ドライブに向けた車選びのコツは、「疲れにくい車」「運転支援システムが搭載されている車」「燃費性能が高い車」を選ぶことがポイントです。どのような長距離ドライブを行うのか、どれくらいの人数で移動するのかなどを想定することで、どの車で行くかを検討しやすくなります。快適に過ごせる車で長距離ドライブを楽しみましょう。