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今更聞けない車の燃料のお話し

お悩みスッキリ

2022.11.29

車のエネルギー源はガソリンもしくは軽油などの燃料です。
車の種類によって対応している燃料が決まっています。
誤って、異なる燃料を入れてしまった場合、車が動かなくなってしまう恐れがあり危険です。
燃料を入れ間違えてしまうなどのトラブルが引き起ってしまうかもしれません。

この記事では、今さら聞けない車の燃料について解説します。
知っているつもりになっているだけで、誤った知識を覚えているかもしれません。これを機に勉強をしてみましょう!

目次






間違えないと思っても、
この車の燃料って軽油?レギュラー?ハイオク?どれ?

自分の乗っている車は、どの燃料を使うのか正しく認識していますか?一般的には、レギュラーガソリンを入れる車種が多く出回っていますが、中にはディーゼル車や、ハイオクガソリン車などがあります。それぞれどのような違いがあるのか、また、燃料の種類をチェックする方法について学んでいきましょう。


燃料の種類・違いとは?

ガソリンは、石油から作られています。原油を精製し、それぞれの沸点によって分類・抽出され、ガソリンや重油、また、アスファルトになるのです。製油所で石油を約350℃に加熱し、石油蒸気になったものを蒸留し、沸点で分けるという流れですが、具体的には次のように分けられます。
種類沸点
ガソリン30~180℃
灯油170~250℃
軽油240~350℃
重油・アスファルト残りのもの
ガソリンは、エンジンを動かすために丁度良いエネルギーです。熱エネルギーを機械エネルギーへと変換できるため、燃料として重宝されるようになりました。

ガソリンの特徴
・揮発性が高い
・-40℃以下で引火しやすい
・常温中では気体になりやすい

灯油の特徴
・ガソリンよりも沸点が高い
・燃焼性がよい
・すすや煙が出ない

ストーブに使うものは、1号灯油(白灯油)で発動機に使うものは、2号灯油(茶灯油)に分けられています。

その上で、軽油・レギュラー・ハイオクの違いについて解説します。

ガソリンの種類と違い
・レギュラー:オクタン価が89以上のもの
・ハイオク:オクタン価が96以上のもの
・軽油:ガソリンよりも沸点が高い

簡単な違いとしては上記のような点が挙げられます。

オクタン価は、異常燃焼の起こしにくさやノッキングの起こしにくさを示す数値のことです。ノッキングとは、エンジン内部で金属音のような音が起こることで、ノッキングを起こしにくい点から「アンチノック性」のものであると言え、騒音や熱効率の向上などが期待できます。

参照:ENEOS|石油便覧 – 第1節 自動車ガソリン
参照:ENEOS|石油便覧 – 第5節 軽油
参照:ENEOS|石油便覧 – 第4節 灯油
参照:JOGMEC 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構|石油・天然ガス資源情報 – オクタン価


燃料の種類を調べる方法

自分の車はどの燃料を使うのか分かっていますか?「もしかして、違うのかもしれない」と思った時は、次のような方法で、使う燃料について確認をしましょう。

・給油口の蓋もしくはキャップを確認する
・車検証を確認する

それぞれ、燃料の種類が記載されているので、分からなくなってしまった時は確認しましょう。国産車の多くはレギュラーガソリンを使用するものが多いため、間違えていることは少ないかもしれません。
記載内容燃料種類主な車種
レギュラー/無鉛ガソリンレギュラーガソリン一般的な車
ハイオク/無鉛ハイオク/無鉛プレミアムハイオクガソリンスポーツカーなどに多い
ディーゼル/軽油軽油トラックやバスなど

ただし、車検証などによっては、ハイオクガソリンとレギュラーガソリンをまとめて「ガソリン」として表記している可能性があるので、わからなかった時はカタログや取扱説明書なども見ましょう。ディーラーなどで直接確認することもおすすめです。

ハイオクガソリン(プレミアムガソリン)には、添加剤も含まれています。そのため、価格も高くなってしまう点がデメリットと感じてしまうかもしれません。高性能で高出力のエンジンを搭載している車で使用されているため、維持費が高くなると感じる理由のひとつと言えるでしょう。エンジン内部での異常燃焼を引き起こしにくい点があり、エンジンの不自然な動きや振動が少ないため、心地よい運転を楽しみたい人や高性能な車に乗りたい人におすすめです。

一方、レギュラーガソリンは一般的な自動車で使用されています。ハイオクガソリンとは違い、添加物なども含まれていないことから、エンジン内部での異常燃焼を引き起こすため、時としてノッキングが起こります。ただし、引き起こしやすいだけで一般的な使い方をしていれば、頻繁に起こることはありません。日頃の手入れや点検・整備などでも防げます。また、レギュラーガソリン用の添加剤を使って、エンジン内部を綺麗に洗浄することなどもおすすめです。


ハイオクガソリンを一般的な車に入れたら…?

ハイオクガソリンの方が性能がよいのなら、一般的な車に入れても問題ないのでは?と思うかもしれません。それは大きな間違いです。もちろん、ガソリンとしてハイオクガソリンを入れても性能上の大きな問題はありません。しかしながら、燃費性能が落ちてしまう可能性があります。
反対にハイオク車にレギュラーガソリンを給油した場合、ノッキング現象が起こったり、性能が落ちたりする可能性があります。近年のハイオク車は、誤給油した場合にコンピューター制御により、自動的に調整をしてくれるようですが、緊急時を想定して組み込まれているため避けましょう。ハイオクガソリンを専用に使用している車もあり、この場合には、レギュラーガソリンを入れても動かない可能性があります。

それぞれの車は、想定した燃料を入れて製造・検査・点検を行っているので、違う燃料を入れないようにしましょう。




軽以外での快適な車中泊が期待できる車種

ガソリンの給油するタイミングは、どれくらいが理想的なのでしょうか。一般的には、車の給油ランプが点滅したら給油することが多いかと思います。

給油ランプが点灯するタイミングというのは、燃料タンク内にある残量を計測するセンサー(フロート)が一定の位置になった時です。そのため、走る道の状態によっては給油ランプが点いたり、消えたりすることがあるかもしれません。

自動車メーカーの車種によって異なるものの、主に残量が4L~10Lの間で点灯するため点灯したとしてもある程度(50km~10km)は走行可能と考えられます。慌てる必要はないものの、点灯したらなるべく早めにガソリンスタンドへ向かうようにしましょう。

ガス欠になってしまった場合は、JAFなどのロードサービスを呼んで対応してもらわなくてはなりません。また、ガス欠状態のままだと、エンジンの寿命が短くなる可能性があるため、なるべくガス欠を繰り返さないようにしましょう。
(参照:JAF|[Q] ガス欠が原因でおこるトラブルとはなんですか?

理想の給油するタイミングは、車の使用状況によって異なります。

日常的に車を使わなくてはいけない場合は、必要なタイミングで給油をするべきです。給油ランプが点く前に給油したり、ガソリンが安いタイミングである程度少なかったら給油したりしましょう。ですが、あまり使用しないのであれば、使用頻度に応じた分だけ給油しておきましょう。例えば、2~3ヶ月で走らせる分だけ給油して、またしばらく走らせないのであれば少し余裕をもたせるくらいの給油をしておくことがおすすめです。

緊急時などに走らせる必要があった場合に、ガス欠になる可能性があったら心配の種がひとつ増えてしまいます。反対に、あまりにも乗らなかった場合にガソリンの質が低下するので、状況としては良くありません。備えあれば患いなしということを覚えておきましょう。




フルフラットでなくても荷物がたくさん積める広いラゲッジスペースの車種

ガソリンを満タンの状態で走らせた時、燃費性能が悪くなるという話を耳にしたことがあるかもしれません。実際に、ガソリンを満タンに給油した状態というのは、燃料の分だけ重たい状態になっていることから、燃費が悪くなると考えるのは自然のことでしょう。しかしながら、反対に給油するタイミングをこまめにする方が燃費がよいわけではありません。

その理由として、こまめに給油をするための移動でガソリンが減るため、結果として高くなっている恐れがあります。また、自動車の燃料を満タンにしたことによる燃費性能の低さは、多少の影響を与える可能性があるものの、大きい影響はありません。

エンジンは、燃料ポンプを高速で回転させています。ガソリンはその時の潤滑や冷却するための役割があるため、エンジン内部の故障に繋がる恐れやエンジンの回転が不安定となり、エンジントラブルに繋がる可能性があります。そのため、下手に燃料を少なめの状態でいるよりは、正しい量を入れておくことが大切です。




長いこと乗らないとガソリンって腐るの?

ガソリンは、長期間乗らずに放置していると、ドロッと腐った状態になってしまいます。その原因として、不純物が混入していることや、ガソリン内部に含まれる物質が酸化したためです。結果、揮発成分が抜けてしまい、ドロッとした状態になると考えられます。

劣化する原因
・屋外の気温変化が激しい環境に置いてある
・給油口のキャップなどがキチンと締まっていない

上記の条件下では、3ヶ月程度で劣化が始まります。

仮に、気温変化が少ない冷暗所で空気に触れることが少ない場所(環境)に保管した場合は、半年以上の放置で劣化が始まります。劣化したガソリンの特徴は、酸化したため刺激臭に変わり、独特の匂いを放つといった点です。ヘドロのような物質になってしまうため、エンジン内部で詰まってしまいエンジンがかからなくなります。

ガソリンを腐らないようにするために
・給油キャップをしっかりと締める
・給油した時期をメモする
・酸化防止剤(添加剤)を使う

日頃から乗っている人にとっては無縁のお話かもしれませんが、あまり乗らない人は防止策を必ず行いましょう。車をなるべく乗るように心がけたり、防止剤を入れたりしておくことで、エンジンを掛けなくても1~2年程度は劣化しにくい状態を維持できます。

仮に、ガソリンが腐ってしまった場合は、専門業者に相談し、処理してもらいましょう。
(参照:ENEOS|よくあるご質問 – ガソリン・燃料油)




もし間違えてガソリン車に軽油をいれたら?

燃料の入れ間違えは注意した方が良いですが、特に注意する必要があるのは「ガソリン車」に対して「軽油」を入れた場合です。軽油は、あくまでもディーゼル自動車に給油する燃料なので、同じ「軽」がついている軽自動車や一般的なガソリン車に給油すると車が壊れてしまいます。

軽油を入れてしまうと、加速が鈍り排気ガスが黒くなってしまい、最終的に黒い排気ガスを吐き出してエンジンが停止します。給油したタイミングでは、ガソリンと軽油が混ざった状態になるため、エンジンの出力が下がる現象が起こり、最終的に軽油のみになった場合に、黒い排気ガスが出てエンジンが停止するため危険です。

軽油の方がガソリンよりも潤滑性が高いため、エンジン内部にある部品が焼き付きを起こしてしまいます。結果、修理費などが高くなってしまうなど、デメリットが多いです。反対に、ディーゼル車にガソリンを入れてしまうと排気ガスが白くなり、エンジンがかからなくなってしまうので注意しましょう。

間違えてしまった場合は、車を安全な場所に駐車してエンジンを切ってから、JAFなどのロードサービスを利用してください。

給油をする時には、給油ノズルの色を必ず確認しましょう。
近年では、セルフスタンドが増えてきたため、自分で給油する場面が増えたため、このような間違いが増えているのだと考えられます。セルフスタンドで給油をする場合は、ノズルの色を確認して給油してください。法令に基づいてノズルの色を固定したので、間違える可能性が低くなりました。
油種
レギュラー
ハイオク
軽油
灯油
(引用:消防危第25号平成10年3月13日「顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所に係る運用について」)


仮に、給油間違えに気付いたのが、エンジン始動前であれば燃料を入れかえればよいので問題ありません。間違えたことにすぐ気づいたのであれば、ガソリンスタンドの店員に伝え、直ぐに燃料を入れかえてもらいましょう。
(参照:JAF|[Q]間違った燃料を給油した場合に起こるトラブルとは?)




まとめ:燃料の間違えに注意して楽しいカーライフを!

車の燃料について意外に知らなかったことなどありましたでしょうか。入れ間違えには十分、注意することが必要ですが、間違えてしまったとしてもエンジンをかける前に気付ければ問題ありません。直ぐにガソリンスタンドの店員に相談してください。車種に応じた燃料を使うことで、車の性能を最大限に活かせるため車を選ぶ段階から、どのような車で走りたいのかを考えるとより良いカーライフを送れるので、一度ご検討ください。