渡部 純一×鎌田 洋一
昭和44年に、記念すべき第一号店としてオープンした新小岩店。
ここで責任者を務めているのが、営業部長の渡部だ。入社から30年、育てた部下は数知れず。“ツチヤ自動車の生き字引”とも言われている。
そんな彼と、いま最も接点が多いのが営業主任の鎌田だ。渡部が最も頼りにしている部下のひとり。彼らはどんな関係性を築きながら、日々の仕事に取り組んでいるのだろう。
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渡部 純一渡部 純一50歳。入社30年目。好きな言葉は「縁」。部下と接するとき、お客様に接客をするとき、いつも「この“縁”を大切にしよう」と思っている。
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鎌田 洋行鎌田 洋行30歳。入社6年目。レンタカーショップでアルバイトを経験するなど、車を扱う仕事にはなじみがあったことから、ツチヤ自動車に入社する。
「上司と部下」というよりも…?
鎌田さんは、入社からずっと渡部さんの
もとで働いているんですよね?
そうですね。入社前の面接から渡部さんで、そのままずっと部下として働かせてもらってます
彼はマジメな男でね。入社してから休んだことないし、毎日誰よりも早く会社に来るし。私も見習わなきゃ(笑)
部長の第一印象ってどんな感じでした?
いや、良い声してる人だな~って
そこ?怖そうとか、偉そうとか、緊張したとか、そういうことはなかったの?
いや、全然
少しは緊張しなさいよ(笑)
いや、でもホントに面接の第一印象だけじゃなくて、普段仕事で接するようになってからも、まったく緊張とかしないんですよね。それこそ、部長にしてみたら息子くらい年齢の離れた部下なんですけど、とにかく話しやすくて。ちょっとしたことでも相談できる上司が近くにいるっていうのは、ホントに助かってます
自分の子供と接するようなものだから、こちらから堅苦しい付き合いにしたってしょうがないよね。実はウチの場合、10年・20年と長く働いている営業が多いのもあって、若手とベテランの年齢差が年々開いている状況なんですよ。そんななかで年長者のほうから話しかけにくい雰囲気を作ったりしないほうが良いじゃないですか。若手のみんなに、このさき長く頑張ってもらうためにも、年長者である自分が、ある意味気を遣っている部分はあるかもしれないですね
…恐縮です!
これだもの(笑)
こういったくだけた関係って、
新小岩店独特のものなんでしょうか?
基本的には、どの店舗も話しやすい人が多いと思いますよ。研修などで他店舗の営業と交流するときも、みんな顔見知りという感じです。新小岩店の場合は、特に部長の人柄のおかげか、フレンドリーな人が多いと思いますけど
営業って、ある意味自分の人柄を買っていただく仕事じゃないですか。だから、個性がすごく大切なんですよ。上から“こうしろ・ああしろ”って押しつけて画一的にしたって、お客様から喜ばれるわけじゃない。だったら、一人ひとりの個性を大事に、ある程度自由に仕事へ取り組めるほうがいい。普段のふれあいからそういったことを心がけて、主体性を引き出せたらいいなと
いま上司として部下をまとめている人も、渡部部長に育てられた方が多いので。やっぱり部下の育成についての考え方も、似ている人が多いかもしれません
実際、部長からは毎日どんな指導を
受けているんですか?
ほとんど、うるさいことは言われません。しっかり自分のやり方を横で見せてくれる、という感じです。毎朝営業のロールプレイングをするのですが、提案の仕方ひとつとっても、見ているだけで勉強になるところが多くて
たとえば?
たとえば、そうですね…。車両保険を提案する場合も、ポイントになる部分では一旦話をストップして“よろしいですか?”“ご理解いただけましたか?”といったように、お客様の了承をきちんと取りながら話をしたり。ごく自然に、“あ、今度マネしてみよう”と思えることが多いです。押しつけがましくない、背中で見せてくれるような指導です
鎌田君の場合は、“自分自身が納得できているか”を大事にするタイプだから。私のほうからあれこれ言うよりも、自分で考えてもらったほうがいいと思っているんです。もちろん指導の仕方は人によって変えるべき。何でも聞いてこいよ!って言っても、そもそも若くて経験も浅い人なら、“何がわからないのかもわからない”なんてこと、ありそうじゃないですか。そういった人には、こちらから接点を積極的に持って、手取り足取り教えたほうがいい。その人に合わせた指導を心がけてますね
仕事で、お互い尊敬しているところって
どんなところでしょう?
とにかく、お客様に対する向き合い方がすごいなって。お客様とのお付き合いが長いということもあるかもしれませんが、とにかく車を購入するときだけじゃなく、事故の際や故障の際など、どんなときでも一番に部長に連絡してくる。そんなお客様が多いんですよね
これはもう、営業冥利につきるところで。なかには“車検のステッカーってどこに貼ったらいいの?”なんてことで、わざわざお店に会いに来てくれる方もいるくらいなんですよ
どうしたらそんな関係性が築けるんだろう?って思います。そうそう、親子で通ってくださってる方もいますよね
30年も勤めてるからさ。“息子が免許とったから、渡部さんに初めての車みつくろってもらおうと思って”なんてね。できれば、お孫さんが生まれるくらいまで頑張りたいなあ。でも、鎌田君も負けないくらいのファンがいるよね?
自分の接客を気に入っていただいて、毎週洗車をしに来てくださる方がいますね。最初にお車をお買い上げいただいたときは、不手際からお叱りを受けてしまって。“次は来ないよ!”なんて言われてたんですが
それでも、逃げずに向き合ったのが良かったんだろうね。お店で出来ること、出来ないことをはっきりお伝えしたり。お客様のおっしゃることをしっかり受け止めたり。そういう真摯なところは、若いながら大したもんだなって思うよ
ありがとうございます。部長がよくおっしゃることですが、車は“売って終わり”の商品じゃないんです。ご購入いただいたあと、安全で快適なカーライフを送っていただけるようサポートするのが、本当の営業の役割だと思います
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